玉井康之北海道教育大学釧路校教育学科

玉井康之HPトップページ | サイトマップ お問い合わせ

単著書・編著書の表紙

ページ  1 | 2

 

『地域を生かせ!総合学習の展開』

東洋館出版 2000年 2800円+税

 

目次より

第1部 「総合的な学習」と地域の理論
「総合的な学習」と地域の理論(地域を生かす「総合的な学習」の進め方
都市部・都市近郊の学校における「総合的な学習」
遠隔地小規模学校の地域特性を生かした「総合的な学習」
情報ネットワークを活用した「総合的な学習」)

第2部 地域を生かした「総合的な学習」の実践
地域の自然環境を生かした総合的な学習
地域を生かすふるさと学習
子どもの求める学びと和光学園の総合学習
横浜市における地域総合学習
学校間ネットワークを活用した地域総合学習
子どもたちが自らの将来像を描く環境学習
一人の興味・関心から出発した総合学習
みやげもの屋から、観光地としての奈良の町の特徴をつかむ
都市部と遠隔地を結ぶ総合的な学習
地域の観光資源を生かす総合的な学習
地域から解き明かす私たちの疑問


『山村留学と子ども・学校・地域―自然がもたらす生きる力の育成』

川前あゆみ・玉井康之 編著 高文堂出版社 1998年

 

【目次】
はじめに

序 章 山村留学研究の可能性と方法
 1.現代社会における教育課題と山村留
 2.都市と農山村の異文化交流・相互学習と山村留学
 3.学校づくり・地域づくりの統一と山村留学
 4.山村留学研究の到達点と今後の課題
 5.本書の課題と構成

第1章 山村留学に見られる体験学習の基本類型と教育効果
 1.本章の課題と方法6
 2.体験の基本的効果と地域
 3.体験活動内容の基本類型とその教育効果
 4.体験学習の企画内容と類型
 5.小まとめ

第2章 受け入れ地域住民・里親から見た山村留学
 1.本章の課題と方法
 2.地域住民による山村留学への運営参加意識の特性
 3.地域住民による山村留学の評価
 4.里親からみた山村留学の評価と意識変容
 5.小まとめ

第3章 山村留学修了生保護者から見た山村留学の評価とへき地小規模校の役割
 1.本章の課題と方法
 2.保護者から見た山村留学の参加動機と成果
 3.保護者から見た留学前の学校と留学校の比較
 4.山村留学による保護者自身の成果
 5.小まとめ

第4章 子どもから見た山村留学の評価と体験学習が果たす役割
 1.本章の課題と方法
 2.留学修了生から見た山村留学の評価
 3.地元卒業生から見た山村留学の評価
 4.体験学習が子どもに果たす役割
 5.小まとめ

第5章 転出教員から見た山村留学の教育効果と教員意識の変容
 1.本章の課題と方法
 2.山村留学導入による地元生・留学生への教育効果
 3.内面的な課題を持つ子どもの留学と地元生・教員に与える影響
 4.山村留学を契機とした転出教員の意識の変容
 5.小まとめ

第6章 山村留学に参加する人たちへの提言と山村留学の可能性
 1.本章の課題と方法
 2.山村留学生親子の心構えと留意点
 3.現代社会下の子どもの環境変化と地域教育への期待と可能性
 4.生涯学習における山村留学の役割と可能性
 5.受け入れに伴う山村留学制度の発展の考え方
 6.小まとめ

終 章 山村留学の可能性と発展条件

 山村留学関係参考文献(年代順)
 北海道山村留学実施状況
 おわりに


『山村留学と学校・地域づくり-都市と農村の交流にまなぶ-』

川前あゆみ・玉井康之著 高文堂出版社 1998年 2350円

 

都会や市街地の子ども達が農山漁村に赴く山村留学は、近年急速に注目されている。山村留学生は、年々増加傾向にあり、全国で毎年800名を越えるに至っている。1998年の中央教育審議会答申「新しい時代を拓く心を育てるために」においても、心を豊かにする事例として取り上げられた。本書は、これまでほとんど明らかにされてこなかった、この山村留学の教育力と課題を、総合的な観点から実証的に明らかにした調査研究書である。

 この出版に先立って、1997年11月には、北海道教育大学岩見沢校のへき地教育関係者が中心となって、「山村留学とへき地教育」のシンポジウムを開催した。このシンポジウムには、全道各地から160名ほどの学校教員や地域住民が集まり盛会であった。へき地における山村留学への関心の高さを示すとともに、北海道教育大学がへき地教育現場に貢献しつつあることを示した研究集会でもあった。本書の共同執筆者である私も川前さんもこのシンポジウムで報告したため、本書はこのシンポジウムの成果でもある。川前さんは、香川短期大学の助手で、北海道教育大学僻地教育研究施設臨時研究員でもある。 

 山村留学の目的は、もともと1970年代に高度経済成長の中で急速に不足しつつあった自然体験を子どもたちに提供するために始まった。その後山村留学は、学校を地域からなくさないようにするために、過疎地の活性化のためにも導入されるようになった。さらに山村留学は、都会で不適応やストレスを感じた子どもたちが、もう一度人間らしさを取り戻すために応募するケースも多くなっている。生活や遊びが近代化する一方で、子どもたちは自然の中での生活や遊びに感動する場合も多く、都会の子どもたちは、潜在的には、自然の豊かさと自然体験に飢えているといえる。 

 本書の構成は、第1部「体験学習の必要性」、第2部「山村留学制度の展開と運営」、第3部「地域・保護者から見た山村留学の評価と役割」、第3部「学校構成員から見た山村留学の評価と役割」の、4部構成で、その中の各章には、山村留学に参加する子どもと受け入れ側の地元のこども、送りだす側と受け入れ側の地域、学校と地域、里親と地域住民、など多様な相対する立場から山村留学の積極面と課題をとらえている。 

 このように、山村留学を総合的な立場から分析することによって、立場が異なっても、いずれの立場も山村留学を肯定していることを本書では明らかにしている。その過程では、マイナス面をプラス面として転換できるように改善し、また短期的にマイナス面だととらえられる側面も長期的にはプラス面として位置づくことを認識するようになっている。例えば、教師達も、山村留学に取り組んでいるときには、都市の子どもたちの指導の大変さを感じていたが、山村留学実施校から転出してみると、教師も子どもたちも都市と農村の交流の中でたいへん良い経験をしたことに気づいたことも明らかとなった。また地元の子どもたちに都会の子どもが悪い影響をもたらすのではないかという受け入れ地域の不安もあったが、都会の様子を見て逆に農山村の良さを自覚できるようになっている。 

 このように本書の調査結果を見ていただければ、山村留学を導入することによって、学校も子どもも、地域住民も、こじんまりした枠組みから大きく踏み出し、視野の広い対応に変わってきていることがわかるであろう。


『現代アラスカの学校改革-開かれた学校づくりと生涯学習-』

高文堂出版社 1997年 1600円

 

北海道教育大学は、アラスカ大学と姉妹校提携を結んでおり、その学術研究交流の橋渡しをしているのは、北海道教育大学僻地教育研究施設(通称「へき研」)である。そして本書『現代アラスカの学校改革-開かれた学校づくりと生涯学習-』は、北海道教育大学僻地教育研究施設の環太平洋国際学術交流プロジェクト研究の一環として、刊行したものである。

 へき研がアラスカ大学と交流するまでの経過は、長い歴史があるが、ここではなぜアラスカとの交流なのかを述べると、それはアラスカが北方圏地域の一員として、北海道と極めて類似した側面を持ち、日本の教育の特性と改善方向をとらえる上でも、貴重な課題を示唆しているからである。 

 このような中で、本書は、アラスカ社会の特性を踏まえながら、アラスカの学校改革の特性を、(1)学校ボランティアの導入、(2)地域の伝統文化行事との連携、(3)地域住民による学校評価の導入、の3つの観点からとらえたものである。 

 (1)の学校ボランティアは、父母や地域住民が学校のために行事や教科指導や生活指導や学校・学級運営など多様な分野で学校に協力するボランティアを、あらかじめ登録しておく制度である。(2)の地域の伝統文化行事は、地域の伝統的な文化を学校行事として活用するだけでなく、教育課程として、カリキュラムに位置づけていくものである。(3)の地域住民による学校評価は、父母・地域住民が、学校教育の到達度を評価するとともに、父母・地域住民自身が自分たちの担うべき役割をきちんと果たしていたかどうかを自己評価する制度でもある。 

 これらの3つの観点は、学校が地域に協力を求めるだけでなく、学校を地域に開いていかなければできない制度である。そしてこの3つの観点のいずれもが、これまで日本では組織的には、導入されていなかった点でもある。 

 しかし現在日本でも、教育改革は政策的にも進められており、「地域に開かれた学校」は、学校運営の観点からしても、生活指導の観点からしても、教科内容の新たな創造の点からしても、日本の大きな改革課題となっている。その場合重要なことは、改革の政策が上から降りてこなければ改革ができないというものではなく、学校単位で、学校の特性にあった改革は、いくらでもなしうるということである。本書の主題を「教育改革」としないで、「学校改革」としたのも、そのためである。 

 このように、日本も大きな改革の入り口に差しかかっている時に、すでに改革を進めている他国の改革の在り方を学ぶことは重要であるが、アメリカの中でも、学校開放に先進的なアラスカから学ぶ意義は大きいのである。 

 幸い本書は、いくつかの教育学会ですでに書評をしていただけることが決まっている。北海道教育大学の僻地教育研究、及びへき研のプロジェクト研究が、いくらかでも日本の学校改革の参考になることを願う次第である。


『北海道の学校と地域社会-農村小規模校の学校開放と地域教育構造』

東洋館出版社 1996年 2913円

 

 私がこれまで北海道の農村教育の調査を行った所では、どの地域でも古老たちが「この地域は学校によって発展してきたのだ」と語っていた。北海道の農村のどこでも、この言葉を聞いたときに、北海道の普遍的特性を感ぜずにはいられなかった。そしてそのことをもう少し掘り下げて調査した成果を本にしたものが、本書『北海道の学校と地域社会』である。
 
 本書は、北海道の6割を占める農村小規模校を中心にして、北海道の「学校と地域」の連携の実態をとらえながら、北海道の学校と地域社会の連携の特性とその条件、及び学校開放と地域教育との内的な相互発展の構造を明らかにしたものである。

 現段階において、「学校と地域」の連携や「開かれた学校づくり」が強く求められる中で、北海道とりわけ農村小規模校では、「学校と地域」の結び付きが極めて強い。それは北海道開拓時の学校の設立過程に地域住民が強く関わってきた歴史的な条件が潜在的に継承されてきたこと、また学校も地域と連携することの重要性を積極的に考えてきたことによるものであった。すなわち地域住民の学校への関わり方の強さと、学校・教員が行事や社会教育活動等で地域に貢献するなど、積極的に学校開放を行ってきたことによるものであった。

 これらの積極面を、学校関係者や教育行政関係者が改めて認識し、それを創造的な教育活動に生かしていくことは、生涯学習時代を迎えるこれからの学校の在り方として極めて重要なことである。しかし現実には、学校運営に携わるものや教員の中にも、その積極面を自覚できずに、むしろ学校教育にとってのお荷物としてしかとらえていない人達も少なくない。本書は、そうした人達にこそ読んで欲しいと思うのである。

 北海道教育大学は、全国で唯一僻地教育研究施設をもつ大学であり、僻地教育研究が盛んである。このことは、都市の子どもの歪みが激しいことを鑑みるならば、誇るべきことであろう。これまで、都市に比べて「遅れて」いると言われ続けてきた僻地教育も、観点を変えると優れている点も多い。本書もそうした僻地教育研究の振興に一助を捧げられればと思う次第である。

 幸い本書は、日本教育社会学会・日本社会教育学会・日本教育経営学会等の書評対象の書として選ばれ、また教育専門雑誌のいくつかに紹介された。本書が、北海道の農村小規模校から日本全体の教育の在り方に少しでも問題提起できればありがたいことだと思っている。


『へき地小規模校の理念と実践』

教育新聞社 2,095円+税

 

【目次】

第I部 へき地教育のパラダイム転換を推進する地域学校運営
  第1章 現代の教育政策におけるへき地小規模校教育の
  パラダイム転換の可能性
  第2章 へき地小規模校経営の特性と学校・地域協働運営の可能性

 

 

 

第II部 少人数の中で集団性・社会性・生きる力を育む学級経営・生活指導

 第3章 社会性を育むへき地小規模校の学級経営の基本的観点と課題
 第4章 集合学習・交流学習と社会意識の育成
 第5章 へき地小規模校の農林漁業・自然体験活動と生きる力・心の教育の可能性

 

第III部 へき地の地域素材・自然環境・地域産業を活かす学習指導
 第6章 へき地小規模校における少人数・複式授業運営の基本的観点
 第7章 北海道のへき地の地域性を活かした地域教材開発とカリキュラム開発の必要性
 第8章 へき地小規模校の地域特性を活かした総合的な学習の可能性
 第9章 へき地小規模校における持続可能な食育・農育・教育の展開と可能性

 

第IV部 へき地の地域ネットワークと小集団を活かす特別支援教育
 第 10 章 社会資源の少ない地域における特別支援教育の推進と教師の立ち位置
 第 11 章 障害のある子どもと地域をつなぐ教師の役割
 第 12 章 「特別な教育的ニーズ」とへき地小規模校における小集団を活かした授業づくり

 

第V部 へき地教育を担う若手教師の成長とへき地教育プログラム
 第13章 山村留学生指導を通じた若手教師の成長の意識
 第14章 へき地教育実習の位置づけと内容特製
 第15章 へき地教育プログラムの構造化の意義と担い手教師の成長

 


『子供の“総合的な能力”の育成と生きる力』

北樹木出版

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


『地域コミュニティと教育 ー地域づくりと学校づくりー』

放送大学教育振興協会

 

 

 

 

 

 

 

 


『地域を探求する学習活動の方法』

東洋館出版社 2,100円+税

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前のページへ


 

Copyright © 北海道教育大学釧路校 玉井康之、All Rights Reserved.
玉井康之HPトップ  | サイトマップ  | お問い合わせ | 北海道教育大学釧路校HP | へき地教育支援部門HP | 北海道教育大学HP